Grand Theft Auto V(GTAV)の警察プレイスクリプトMODであるLSPDFRの情報を日本語でまとめたものです。LSPDFRの導入、プレイ方法、関連プラグイン及びスクリプトなどについて解説していきます。

Better EMSはPNWParksFan氏が制作したLSPDFR用の機能系プラグインで、同じ制作者のCustom Backup及び、Albo1125氏のPolice SmartRadioと連動している。
プレイヤーからの出場要請によって駆けつける救急隊及び消防隊の、自動車運転AIや救命処置のアニメーションを改善している。
また出場報告がメッセージとして表示される機能も追加され、警察と共に働く消防と救急をリアルにするものである。

Better EMS

インストールとフォルダ・ファイル構成

インストール

解凍して出てきたファイルとフォルダを、ゲームフォルダに置く。

尚、同梱されているcustom dispatch audioは導入する必要はない。
これはSA New Dispatcher VoiceというMODを導入している人向けに、それに合わせたディスパッチャー音声ファイルを追加するというものだった。
現在ではそのMODは削除されているようなので、過去に導入しそのまま使っている人を除いては、これではなく標準のディスパッチャー音声を使う。

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フォルダとファイルの構成

ゲームフォルダ表示は割愛。


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設定

[GENERAL]

この項目では全体的な設定をする。
CustomBackupIntegration = true
同じ制作者のCustom Backupを導入している場合は、trueに設定するとこれと連動する。
Custom Backupは同時使用が推奨されているが、必須ではないので本プラグインのみ導入する場合はfalseに。

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[Keybindings]

キー設定。
使えるキーはここを参照
DispatchEMSKey = OemSemicolon
DispatchEMSModifier = LShiftKey
救急出場要請のショートカットキーと修飾キー。
詳細は後述するが、ここで言うEMSは救急隊のみではなく、消防隊のファーストレスポンダーも含む。
ファーストレスポンダーとして消防が先に現場到着した場合、消防士が初動救命処置を行う。
救急車が先に到着した場合は、初期設定では消防隊は消防署に戻る。

DispatchBothUnitsKey = OemQuotes
DispatchBothModifier = LShiftKey
救急出場と火災出場を要請する場合のキー。
ここでやってくる消防隊はファーストレスポンダーではなく、消火活動を行う方。

DispatchAmbulanceOnlyKey = L
DispatchAmbulanceModifier = LShiftKey
救急隊のみに出場要請をする時のキー。
ファーストレスポンダーは来ない。

DispatchEMSControllerButton = None
DispatchEMSControllerModifier = None
コントローラーで、ファーストレスポンダーを含む救急出場要請をする場合のボタン設定。
初期設定は割り当ては無い。

WarpCloserKey = Divide
CancelKey = Multiply
StopThereKey = Subtract
出場隊の動作に関するキー。
WarpCloserは、傷病者の直ぐ近くまで救急隊や消防隊をワープさせる。
Cancelは出場要請の取り消し。
StopThereは救急隊が傷病者の近くで詰まった時に、その場所で強制的に降車させて、徒歩で傷病者の近くまで来させるもの。

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[Player]

この項目ではプレイヤーに対する救急措置を設定する。
TreatPlayerInjuriesThreshold = 0.9
プレイヤーの体力がここで設定した数値を下回っていた場合、救命士はプレイヤーに対し処置(体力回復)を行う。
数字は百分率で入力し初期設定は"0.9"、体力が90%を下回っていれば処置をするということ。

MaxArmorOnTreatPlayer = true
上記処置を行った際に、防弾ベストの回復もあわせて行うかどうかの設定。
初期設定は防弾ベストの回復も行う"true"、救命士が回復を行わない場合は"false"に変更する。

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[Units]

この項目では出場隊の行動に関して規定するもの。
ClearFirstResponderIfAmbulanceOnScene = true
救急隊とファーストレスポンダーが出場し、救急車が先に現場到着した場合、ファーストレスポンダーが戻るかどうかの設定。
初期設定は署に戻るtrue
救急隊が先着したかに関わらず、ファーストレスポンダーを現場へ向かわせる場合はfalse

AlwaysSendFirstResponder = true
先ほどの設定でAmbulance Onlyの場合を除いて、ファーストレスポンダーが常に出場するかどうかの設定。
初期設定はtrueであり、この時は以後の設定は実際の動作に影響しない。
falseにした場合は以下の設定に基づき、状況に応じてファーストレスポンダーが出場する。

SendFirstResponderIfFireNearby = true
近くで火災が発生した場合、ファーストレスポンダーが出場するかどうかの設定。
初期設定のtrueだと、近くで火災が発生していればファーストレスポンダーがやってくる。
falseに設定するとやってこない。

SendFirstResponderForMVA = true
近くで自動車事故(MVA:Motor Vehicle Accident)が発生していた場合の設定。
出場する場合はtrue、しない場合はfalse

SendFirstResponderIfMoreThanPatients = 2
何人の傷病者がいればファーストレスポンダーがやってくるかの設定。
初期設定は2人で、人数を変える場合は数値を変える。

SendFirstResponderIfCloserBy = 400
ファーストレスポンダーの出場開始地点が、救急隊より何メートル現場に近ければ出場するかの設定。
  • 1に設定すると、この設定は無視される。

SecondCallSendsFirstResponderLater = true
同一現場で2回目の出場要請をした際、ファーストレスポンダーがやってくるかどうかの設定。
初期設定は出場するtrue、しない場合はfalse

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[Impatient Mode]

「せっかちモード」の設定。
出場隊の出発位置が遠すぎてムカつく場合に、ここの設定を変更してより近くから出場するようにする。
またせっかちモードを設定せずとも、近くへワープを使えば消防は何時でもせっかち対応してくれる。
UseImpatientMode = false
せっかちモードを使うかどうかの設定。
初期設定は大らかな人用のfalse、せっかちさんはtrueに。

MaxSpawnDist = 1000
出場隊がスポーン(マップに表れる)位置の、現場からの最遠距離で単位はメートル。
せっかちモードを使わない場合、ブレイン郡など田舎では4000m以上離れた所からやってくることもある。
1000mでも結構近いが、それ以上のせっかちさんは数値を小さくしよう。

WarpToDistance = 500
現場と出場隊との直線距離がここまで縮まった時に、出場隊がワープしてくると言う距離で、単位はメートル。

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[Response]

この項目で設定するのは、出場隊が現場へ向かう時の設定である。
PatientRadius = 50
出場要請した時に、自分を中心にこの範囲にいる傷病者を検知し、対処すべき傷病者リストとして加えられる。

DriveSpeed = 18
出場隊の移動速度で、単位は秒速。
初期設定では18m/sに設定されており、時速に直すと約65km/h≒40mphである。

HighwaySpeed = 30
高速道路を通行する時の速度。
初期設定は、30m/s≒108km/h≒67mph。

DirtRoadSpeed = 12
ブレイン郡にある不整路を走行する時の速度。
初期設定は、12m/s≒43km/h≒27mph。

NearSceneDriveSpeed = 8
現場に近づいた時の速度。
初期設定は、8m/s≒28.8km/h≒18mph。

NearSceneDistance = 60
「現場に近づいた」を判断する基準距離で、初期設定は60m。

WarpCloserDistance = 80
出場隊をワープさせた時に、現場からこの距離のところに表れる。
初期設定は80m。

EnableSceneSlowZone = true
SceneSlowZoneSpeed = 6
現場からこの距離まで最接近した時、救急車や消防車は最徐行する。
初期設定は6m。

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[Cleanup]

この項目で設定するのは、出場隊が要件を終えて帰還する時の設定である。
ShowIncidentReport = true
出場報告が画面左側に表示されるかどうかの設定。
初期設定は表示されるtrue、表示しない場合はfalseに変更。
出場報告の内容は後述。

DismissDistance = 200
説明を読んでもイマイチ良く分からなかったが、Better EMSのプログラムは、呼び出したPEDや車両がワールドから不意に削除されないよう常に働きかけているそうな。
しかしもう十分に車両やPEDがいる場合、余分なPEDや車両にはその作用を及ぼさない(消えても良いようにする)。
その設定らしい。

LightsOffDistance = 20
現場での処置が終了し消防隊や救急隊が撤収し、この距離まで現場からはなれると警光灯を消灯する。
初期設定は20m。

DriveToHospitalSpeed = 18
ReturnToStationSpeed = 10
救急車が病院へ向かったり、消防車が消防署へ帰還する時の速度。
初期設定は、救急車は18m/s≒65km/h≒40mph、消防車は10m/s≒36km/h≒22.5mph。

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操作

操作はショートカットキーの他、Custom Backupを導入していればそのメニューからも行える。
またPolice SmartRadioを導入していれば、これの無線機からも出場要請を行う事ができる。
これらの機能を使うにはそれぞれの導入が必要。
使用に関する設定は各プラグインの記事を参照のこと。

操作効果
;
+左シフト
救急出場要請。
ファーストレスポンダー含む。
,
+左シフト
救急及び火災出場要請。
L
+左シフト
救急車のみの出場要請。
ファーストレスポンダーはやって来ない。

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ファーストレスポンダーについて

ファーストレスポンダー(First Responder)は実際にある制度で、救急隊到着前に先んじて現場に到着し、初動救命処置を行うもの。
本務救急隊の隊員数及び救急車の台数は限られているため、彼らのみが救急対応する場合、救命処置が遅れて救命率が下がってしまうことがある。
そこで、より軽装備且つ限定的な救命処置しか行えないファーストレスポンダーを配置し、彼らに初動救命処置を行わせることで救命率を上げる。
権限は国によって違うものの、心肺蘇生、AEDの使用、骨折など外傷の手当て、止血など、救急救命士(海外のEMT又はParamedic)よりは限定的なものとなるのが通常。
それでも、ファーストレスポンダーがAEDや心肺蘇生を行って心配停止状態から早期に脱すれば、傷病者の救命率の向上及び後遺症の低減に繋がる。

ファーストレスポンダーとしては消防隊が任命される場合が多いが、専従のファーストレスポンダー隊が編成されることもある。
日本では総務省消防庁がファーストレスポンダー制度を推進しており、既に実働状態にあるファーストレスポンダーもいる。

龍郷町ファーストレスポンダー隊

このスクリプトのファーストレスポンダー

このスクリプトでは、ロスサントス市内やブレイン郡では消防隊、山中などではパークレンジャーがファーストレスポンダーを務めている。
救急車に限定しない救急出場要請をした場合、最も近い拠点からそれらファーストレスポンダーが出場する。
これを規定しているのが\plugins\lspdfr\EMSmodに入っているEMSUnits.xml
そこに使用される車両やPEDを規定した項目があり、車両やPEDが設定されている。
これを変更すれば、自分オリジナルのファーストレスポンダーを作ることも可能。

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出場報告

設定の[Cleanup]の項目で出場報告が表示される(true)に設定すると、出場隊撤収後に出場報告が画面左下に表示される。各項目の意味は左の通り。

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出場事例

傷害事件の被害者

暴行が行われるとの通報を受け、現場に向かったブラント巡査。被疑者の逮捕には成功したものの、被害者は受傷している。指令室に救急出場を要請した。
現場に到着した救急救命士は直ちに心肺蘇生を開始。
必要な処置を行った救命士だったが、彼は力無く首を振り帰って行った。ブラント巡査は無線で検視官を呼ぶ。医療機関の所管まで辿りつけなかった被害者は、法執行機関の掌握事務へと旅立つ。

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Officer Down

「保安官代理から銃撃を受けているとの支援要請、現場はサンチアンスキー山脈の道路、対応可能なユニットは至急現場へ急行されたし」
「1-X-18了解」

Officer Down
国や地域が異なれども、警察官を最も震撼させる言葉の一つ。同じ制服を、同じ身分証を、同じ社会的使命を帯びた仲間が、銃に斃れ、刃物に斃れ、事故で斃れる。支援要請をした警察官は、仲間が来ることを信じて懸命に戦っているようだ。ホンダ巡査はパトカーをサンチアンスキー山脈へと走らせる。
「1-X-18、Officer Down、救急出場を要請、被疑者は無力化」

懸命に戦っていた保安官代理。被疑者は無力化したが、銃創が纏わりつく仲間の体が、道路に横たわっている。ホンダ巡査の要請に応じ、救急隊とファーストレスポンダーがこちらへ向かっている。何とか間に合って欲しい。
「現場到着、要救助者は!」

ファーストレスポンダーの消防士が現場に到着した。彼らは最大限の救命処置を行い、彼らの義務に報いている。
全員死亡

被疑者については、別に無理に殺そうと思っているわけではないが、自業自得だろう。それだけのことをしたのだから。だが仲間も助からなかった。

『警察官は暴力に身を委ねる復讐者ではない』
ホンダ巡査もその程度の理性は持っている。それでもこういう時、「仲間の無念に報いることはできたか」という考えは頭を過ぎる。人間としての感情と、警察官としての理性との狭間で、彼女は夜空を仰ぎ見た。

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