どうにか車MODを導入できるようになった頃、ある事に気付いた。
「ホイールの表示がおかしい」
テクスチャが二重にかかった様な見た目になっているし、MOD紹介サイトにあるスクショと自分が使っている車ではホイールの見た目が違う。
このトラブルの原因も自分の導入作業にあったのだが、直接的には
DMagic Wheel MODを導入していなかったこと。
その根底にあるのは当時のホイールに関する仕様を理解していなかったことだ。
それにより必要な作業を怠った、というよりは必要な作業を分かっていなかったのである。
このあたりを説明する為に、当時のホイールについて簡単に説明しよう。
.dffや.txdに入っているデータは、車体の3Dモデルとそれに貼り付けるテクスチャのみで、ホイールのレンダリングやテクスチャは含まれていない。
ホイールはそれらとは別のファイルに複数のテクスチャと共に格納されている。
その上で、(確かハンドリングだったと思うが)システム設定ファイルで各車のホイールテクスチャとホイール径が決められ、この規定に基づいてホイールデータが各車に割り当てられていく。
車種毎に専用のホイールがあるわけではなく、用意されたパターンから各車への割り当てを決めていく仕様になっており、それらホイール関連データを格納する独立ファイルがあったわけだ。
ただ、GTA3〜GTASAまでのいわゆる「3D世代」のホイールは、今日の「HD世代」と比べれば玩具っぽい見た目のもの。
それらはオリジナルの車両であれば違和感もないのだが、実車MODとオジリナルホイールの組み合わせだと、当時としてもホイールだけが安っぽく浮いて見えるものだった。
例えるなら、
トミカリミテッドの車体に
普通のトミカのホイールを合わせたようなもの、と言えば良いだろうか。
よって実車MODの外観の質を高めていく上で、どうにかしてホイールもリアルなものにしたいという要求があった。
そこでMOD制作者が考え出したのが、
「透明ホイールをパターンに追加し、車体の.dffと.txdにホイールのレンダリングとテクスチャを格納する」という対応策。
この透明ホイールを付け足すMODこそ、先述のDmagic Wheelなのである。
DMagic Wheelを導入すると、透明ホイールを実車MODが入った車に割り当てられるようになる。
透明なのだから、なにもしなければ空中に浮いたような見た目の車になるが、実車MOD側にはホイールのレンダリングとテクスチャが入っている。
この二つが読み込まれて一台の車として組み合わさると、
「当たり判定のないリアルな外観だけのホイール + 見た目の無い物理的に存在するだけのホイール」になり、つまりはリアルなホイールを履いた車が出来上がるわけだ。
皮が.dffと.txdに、餡子がホイールデータ格納ファイルに入っており、ゲームで読み込むとお饅頭が完成するようなものだろう。
またこの方法だと、予め用意されたレンダリングやテクスチャのパターンからホイールを選ぶ必要がなく、実車MOD制作者は自由にホイールを決められる。
スポーツカーにはアルミホイール、パトカーには鉄チンホイールという具合に、自分のMODにあったホイールを使用できるのだ。
見た目の改善、制作者の自由度の向上、一粒で二度美味しいのがDMagic Wheeldなのである。
ここまで説明すればお分かりだろうが、管理人はDMagic Wheelを導入していなかった。
それにより、オリジナルのホイールがそのまま実車MODに割り当てられ、さらに実車MODに入っているリアルなホイールのレンダリグとテクスチャが表示されてしまった。
このことを理解して以降はDMagic Wheelを導入し、MOD制作者が意図した状態で遊ぶことができるようになった。
目次に戻る