プレイを始めると、見下ろし型の2Dの世界に放りこまれた。
正確に言うと部分的に3Dを取り込んだマップだ。
車や人、道路などは平面的な絵なのだが、ビルは単純な3Dオブジェクトとなっていた。
これが歩く時はズームイン、車に乗ってスピードを出すとズームアウトして視野角が広がるカメラレイアウトになっている。
PSは3Dグラフィックを描画できるマシンではあったが、オープンワールドのそれを描くには処理能力やシステム・グラフィックメモリが足りなかったのではないだろうか。
PSで3Dオープンワールドというと
ミザーナフォールズがあったが、マップは昨今のゲームより遥かに狭いものの、描画で苦労していたと記憶している。
(中古で1980円か、結構高いな)
この内容はとても新鮮であった。
プレイヤーはひたすら悪い事をするのだから。
よく皮肉をこめて「RPGの主人公は民家から窃盗を働く悪党」というが、作中世界では正義の味方であり英雄だ。
ところがこのゲームの主人公は作中世界でも凄く悪い人なのである。
警察は追いかけてくるし、やたらめったら銃は撃ちまくるし、ともかくロクなことをしない。
加えて、従来のゲームとは異なる自由な雰囲気があった。
冷静に考えると、主人公は大悪党の使い走りで全然自由ではないのだが、そういう空気のようなものを感じた。
当時の管理人の心境を例えれば、メガロポリス・ノックダウンの的野鋭美ちゃんのようなものだろうか。
管理人は若者とは言え既に大人であり、感性鋭さは小学生より遥かに鈍くなっていたはずだが。
厨二心を凄くくすぐられたのかも知れない。
俺は悪だ…
このゴミ溜めのような街でのし上ってやる悪だ…
今日もオマワリどもにマシンガンをぶっ放してやるぜ!
言葉にすると凄く恥ずかしいが、多分こんなことを思っていたのではなかろうか。
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